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白金ナノコロイドが注目を集める理由は、その優れた抗酸化作用にある。コエンザイムQ10(CoQ10)など従来の抗酸化作用があるとされる素材は、体内にある7種類の活性酸素のうち特定の活性酸素しか除去できない。しかも、一度活性酸素を除去すると、その抗酸化作用は失われてしまう。しかし白金ナノコロイドはCoQ10などと異なり、全ての活性酸素を除去する効果がある。また、白金ナノコロイドが体内にある限り、半永久的に抗酸化物質として働くのだという。
白金ナノコロイド誕生のきかっけとなったのは水の研究だ。不老長寿の水と言われる九州のある有名な湧き水の成分を調べたときに、微量の白金が含まれていることに着目した。もともと白金には酸化した物質を元の状態に戻す還元作用があり、国からも食品添加物として承認を受けている。白金は健康に良いとは言われていたが、それは白金が活性酸素の働きを抑えるためではないかと推測して、白金ナノコロイド商品の開発に本格的に乗り出した。
北海道大学と共同実施した白金ナノコロイド入り口内洗浄液の臨床試験では、歯周病による口内炎症の緩和や外科的処置後の回復促進が確認された。また、動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病、肌荒れ、リウマチ治療など、医療分野でも白金ナノコロイドの効果が期待できることがわかった。動物実験でも、活性酸素が原因とされる遺伝子異常のマウスに白金ナノコロイドを投与したところ、白金ナノコロイドを使用しなかった場合と比較して寿命を延ばす効果が得られたという。
白金ナノコロイドの商品化に欠かせなかったのが最先端のナノテクノロジーだ。白金を科学的に反応させることで白金粒子の平均粒径を2ナノメートルにして、液体の中で白金が均一に分散されたコロイド状態を保つように工夫した。ただ、白金ナノコロイドの商品化においては価格がネックとなる。白金ナノコロイドの原料となるのは高価な貴金属であるプラチナ。現在発売中の白金ナノコロイド配合化粧品の場合、その価格は普及品の2倍以上となっている。
シーテックは2004年から、白金ナノコロイドを基礎化粧品や飲料水、ガムなどに混ぜた商品を自社開発し発売してきた。プラチナは国から食品添加物として承認されているので、白金ナノコロイドの商品化には全く問題はない。ただ、会社自体の知名度が低かったために、今まで白金ナノコロイドが関心を引くことはなかった。だが2006年からは様々な大手企業がシーテックと連携し、あらゆる白金ナノコロイド商品を市場に投入するという。
白金ナノコロイドの特許を持つシーテックの株主には、伊藤忠商事、ロート製薬、ポッカコーポレーション、三菱UFJキャピタル、第一生命保険と大手企業が名を連ねる。ポストCoQ10を狙って各社が白金ナノコロイド・ビジネスに乗り出したということだろう。シーテック側も「これまで白金ナノコロイド自体の開発や自社による商品開発に注力していたが、今後は他社への白金ナノコロイドの提供を積極的に進める」と話している。
既に伊藤忠は白金ナノコロイド入りの飲料水の流通をサポートしており、ポッカも白金ナノコロイド入りスポーツ飲料を開発中だ。他にも株主以外の複数の大手企業が、白金ナノコロイド配合のサプリメントや食品、飲料の商品化を検討しているという。続々と白金ナノコロイド商品が開発される中で、最も注目度が高いのは白金ナノコロイド化粧品だ。
アンチエイジング化粧品の市場は年々拡大の一途をたどり、高額商品も飛ぶように売れている。白金ナノコロイドは、たるみやシワを改善する美容液から日焼けやシミを防止する基礎化粧品まで応用範囲が広い。ロート製薬は白金ナノコロイドのスキンケア商品を開発中で、他の国内大手化粧品メーカーも、化粧水から乳液、クリームなど、一通りの化粧品に白金ナノコロイドを配合した新ブランドを投入する予定だという。
かつて、コエンザイムQ10の人気が高まるとともに、CoQ10の粗悪品も多数販売された例がある。白金ナノコロイドが同様の道を辿らないように、シーテックも白金ナノコロイドの提供先は慎重に選ぶ構えだという。今後は大手企業による白金ナノコロイドの争奪戦が始まりそうだ。
シーテック|白金ナノコロイド|プラチナナノコロイド