コエンザイムQ10は、人間の心臓、肝臓、腎臓などエネルギーを必要とする部分のミトコンドリアに多く含まれているほか、体のあらゆる場所に存在して抗酸化物質として働いている。基本的には体内で合成されるが、多くの臓器のコエンザイムQ10濃度は20代をピークに減少し、40代で30%、80代で50%以上ものコエンザイムQ10が失われると言われている。加齢以外にもストレス、偏食などにより合成量が減少するため、昨今はサプリメントとして体外からの補充が注目されている。
コエンザイムQ10の役割と効果:コエンザイムQ10の最も重要な役割は呼吸連鎖とラジカル補足機能にある。もし体内が酸素不足になっても、コエンザイムQ10が十分に補給されていれば細胞組織が損なわれにくくなることが実験で証明されている。コエンザイムQ10の効果としては、抗酸化作用、免疫力向上、心臓機能の維持、動脈硬化の予防、疲労回復、肌トラブルの改善などが認められており、近年では若返りのビタミンとして特に注目されているようだ。
実感できる効果はひとりひとりで違いがあるが、特にコエンザイムQ10の合成量が減る中年以降の人にその効果が強く実感されるようだ。また、筋力アップと運動による筋肉細胞の破壊を防ぐ上でコエンザイムQ10が有効と考えられており、多くのアスリートにも愛用されている。他にも心臓手術後の回復を早めた、パーキンソン病の初期病状の進行を遅らせた等の報告もある。
コエンザイムQ10の所要量:コエンザイムQ10は体内で合成されるだけでなく体内での大量貯蔵も可能。また、ほとんど全ての食品に含まれているので欠乏症になることはまずないだろうと考えられている。実際、体内でどのような要因によって作用するのかも明らかではないので所要量の算定は困難だが、一般的には30〜60mgとされている。しかし、食物から摂取できるコエンザイムQ10はせいぜい1日5〜10mgとされており、頭脳労働者や肉体労働者の場合はコエンザイムQ10の需要が増大するので、各自の年齢や生活スタイルに合わせて摂取することが望ましいと言える。
コエンザイムQ10は多めに摂取しても比較的安全な成分であるとされているが、コエンザイムQ10を服用しているスポーツ選手に細胞損傷が見られたという研究報告もあるようなので、極端な大量摂取は避けた方が無難だろう。
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