ビタミンEは心臓発作やアルツハイマーに効果があり、酸化防止剤としてビタミンCと共に活性酸素を消去する働きがあると言われている。健康に敏感なアメリカ人は、かつて競うように高用量のビタミンEサプリメントを飲み、これで健康になれると信じていた。ところが2003年頃から、1日 400 IU 以上のビタミンEを5年以上摂り続けると死亡率が5%上昇するというような研究報告がアメリカの医学関係者の間で発表され始め、現在ではビタミンEの大量摂取は危険であるとさえ言われている。
ビタミンEの恐怖研究によって、あれだけ健康に良いと宣伝されていたビタミンEの人気が急落した。ところが、あまりに不自然なビタミンEの恐怖研究に対して懐疑的な見方をする研究者たちにより、実はこのビタミンEの恐怖研究には重大な欠陥があった事実が公表された。ビタミンEの恐怖研究において使用されたビタミンEは天然ビタミンEではなく、すべて合成ビタミンEであったというのだ。
合成ビタミンEは、言いかえれば自然界に存在しない化学薬品だ。しかし合成ビタミンEであることを説明せず、単にビタミンEに関する研究であると言ってしまうと、合成ビタミンEは自然なビタミンEと同じであるという誤解を与えかねない。しかし実際には、合成ビタミンEと天然ビタミンEは全く逆の分子構造を持っており、似てはいるけれども完全な別物だ。もしこの研究に天然のビタミンEが使用されていたならば、結果ははるかに肯定的なものだったと思われる。
また、どの栄養素に関しても言えることだが、われわれが食事から栄養を摂取するときに単一の栄養素だけを大量に摂取することは絶対にありえない。そして、体内で単一の栄養素が単独で働くこともない。様々な栄養素が相互に作用し合うことにより、その効果が得られるわけだ。しかし多くの医学研究では、この点が完全に無視される場合がある。つまり、ある食品から効能が高そうな特定の成分だけを抽出、または合成して、その成分の研究結果をそのまま食品自体の効果・効能と考えてしまうわけだ。
かつてアメリカでは、トマトは健康維持にほとんど役に立たないと言われた時期があった。ご存じのようにトマトにはリコピンが豊富に含まれており、リコピンは体内で有効に働いてくれる成分だ。しかし、抽出された単独のリコピンによる実験では、期待されていたような強い効能が得られなかった。そこでリコピンの研究を行った研究者は、トマトは健康にあまり有効ではないという短絡的な結論を出してしまった。
それぞれの研究者の立場や考え方によって、同じ栄養素でも評価が全く違ってしまうことがある。ビタミンEやリコピンが、まさにそれだった。本当のところ、ビタミンEが良いか悪いかは全くわからない。しかし、少なくともひとつ言えることは、ビタミンEだけを大量に摂るのはお勧めできないということだ。多く摂るにしても少なめに摂るにしても、他の栄養素と一緒にバランス良く摂ることが重要だ。
サプリメント > ビタミンE・リコピン
2005年12月30日
ビタミンEは良いか悪いか
posted by Gotz at 19:20
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