![]() |
高度な技術を要する電波腕時計は、今のところほとんどが日本製。電波時計を日本で初めて発売したのはシチズンだったが、現在はカシオのソーラー電波時計が電波時計のシェア全体で過半数を占めているという。電波時計の発売当初は電波駆動装置が大きく、男性向けの無骨な腕時計が中心だった。しかし最近では各社とも駆動装置が小型化し、特にファッション性が求められる女性用の時計にも電波駆動装置の取り付けが可能となった。
シチズンが20代以上の女性を対象に行ったアンケートによると、電波時計の所有者は10%程度だったが電波時計に興味があると答えた人は73%にのぼった。シチズン・クロスシーやカシオ・リラーナなど、最近はソーラー電波機能搭載のデザインウォッチが人気を呼んでいるようだ。ソーラー電波時計以外ではセイコー・ルキアやオリエント・レトロフューチャーシリーズなども、若い女性を中心に好調な売れ行きを見せているという。
カシオのソーラー電波時計では、オシアヌス(OCEANUS)、プロトレック(PROTREC)、Gショック(G-SHOCK)の3シリーズが主力。中でもオシアヌスはチタン製フルメタルケースを採用し、クロノグラフ機能も備えた多機能ソーラー電波時計だ。金属は電波を通しにくいため電波時計には不向きなのだが、カシオは小型で高感度のアンテナを開発することでこの課題を克服。クロノグラフ搭載のソーラー電波時計は小型化が難しいとされていたが、オシアヌスでは女性用のクロノグラフモデルもラインナップされている。
チタン製のフルメタルケースはGショックの最上位機種となるミスターG(MR-G)でも採用されている。チタンは軽くて錆びず皮膚にも優しいのだが、金属の中でも比較的軟らかい部類に入る素材だ。ミスターGの最高級モデルとなるMRG-7100BJではチタン部分に二重の硬化処理が施されており、通常のチタン製の時計と比較すると耐磨耗性が大幅に強化されている。もちろんMRG-7100BJもソーラー電波とクロノグラフ機能が搭載されている。
プロトレックは登山愛好家のために開発された本格的なアウトドアモデルのソーラー電波時計で、方位・気圧・高度・温度が計測できる世界初のトリプルセンサーが搭載されている。これらのセンサー機能は普通の時計と比較して当然多くの電力を消費するが、蛍光灯のわずかな光でも効率よく発電できる独自のソーラーシステムと低電力でも動くLSIの開発によって、腕時計に搭載することが可能となった。節電機能もあるため、2年くらい暗闇に放置しても問題ないという。
電波時計 > カシオ (OCEANUS. PROTREK. G-SHOCK. MR-G)・シチズン・セイコー