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メープルシロップはカナダの特産品として有名だ。特にケベック州ではカナダ全土のメープルシロップ生産量の90%以上を生産している。メープルシロップはカエデの中でも糖度が高いサトウカエデの樹液から採取されるのだが、ケベックのサトウカエデは3月〜4月の約6週間しか樹液を出してくれないそうだ。この時期のケベックは、昼夜の気温差が非常に大きくかなり厳しい季節にあたる。この限られた時期に採取されたサトウカエデの樹液が、カナダのメープルシロップとして商品化されるわけだ。
しかしサトウカエデの樹液がそのままメープルシロップになるわけではない。1本のサトウカエデから採取できる樹液は約40リットル前後だが、これをメープルシロップにするためには、添加物を一切加えずに1/40の量になるまでじっくりと煮詰めなくてはならない。1本のサトウカエデから作られるメープルシロップの量はわずか1リットルのみ。こうして、メープル本来のコクと味と香りを最大限まで引き出した天然の甘味料、メープルシロップができあがるというわけだ。
国の特産品であるメープルシロップの品質を保つために、カナダ政府はメープルシロップとしての基準を法律で厳しく定めている。この基準をクリアしたものだけが、カナダのメープルシロップとして市場に出ることを許される。メープルシロップは光の透過率(色の濃さ)で5種類に分類されており、透明度の高い順にエキストラライト、ライト、ミディアム、アンバー、ダークと呼ばれている。メープルシロップの値段も透明度の高い順に設定されており、エキストラライトが最も高価で、逆にダークは最も安く手に入る。
日本で一般的に販売されているメープルシロップは色の薄いタイプが多く、色の濃いアンバーやダークはあまり出回っていない。だが、最もメープルシロップらしい独特のコクを味わえるのが、実はアンバーやダークといった色の濃いメープルシロップだったりする。メープルシロップはヨーグルトやパン、デザートなどへのトッピングにぴったりだが、料理の甘味料としても幅広く使うことができる。メープルシロップは和食との相性が意外に良く、砂糖の変わりにメープルシロップを使うと味にぐっと深みが増す。アンバーやダークのメープルシロップが手に入ったら、ぜひお試しあれ。
メープルシロップ > エキストラライト・ライト・ミディアム・アンバー・ダーク