生花が枯れるのは、花の水分に発生するバクテリアの繁殖が原因となる。これを防ぐためには花の水分を抜いてしまえばよい。ここまでは普通のドライフラワーと同じだ。プリザーブドフラワーの場合、水分をいったん抜いた後に不揮発性の有機溶剤などの保存液に浸して再び液を吸わせることで、バクテリアの発生を抑えつつ、そのままの形状を柔らかくみずみずしいまま保持している。
プリザーブドフラワーの需要は順調に伸び続けており、生産が受注に追いつかない状態が続いている。プリザーブドフラワーの需要増加の要因のひとつとして、フラワーアレンジメント教室の存在が非常に大きい。水が不要なプリザーブドフラワーを使用することで壁掛けなどの多彩なアレンジが可能となり、フラワーアレンジメント教室の多くが積極的にプリザーブドフラワーを講座に取り入れているそうだ。
人体の不思議展などで有名なプラスティネーション技術となんとなくイメージがだぶるので、個人的には素直に受け入れがたい気もする。とはいえ、実物を見たら想像以上に綺麗なので驚いた。花を美しいまま長く楽しめるプリザーブドフラワー市場は今後ますます伸びていきそうだが、花は枯れるからこそ美しい・・・という考えはもう過去のものなのだろうか。
プリザーブドフラワー・フラワーアレンジメント