2008年04月22日

ピロリ菌の発癌メカニズム

ピロリ菌は慢性胃炎の大きな要因として知られているが、実は日本人の2人に1人はピロリ菌に感染しており、しかもWHOにより発がん因子として認定されていることをご存知だろうか。日本では毎年10万人近くが胃がんと診断され、そのうちの約5万人が命を落としているそうだ。その発癌のメカニズムが昨年解明されたことで、ピロリ菌の予防対策や検査・除菌治療が注目されている。

細菌が胃の中に入った場合、強い胃酸により大抵の菌は死滅してしまう。ところがピロリ菌はウレアーゼという酵素で尿素を分解してアンモニアを生成し、強い胃酸を中和しながら胃の中で生き続けることができる。胃の粘液の中を自由に動き回るピロリ菌は、胃粘膜をつくる上皮細胞にくっつくとCagAというタンパク質を細胞内に注入する。このタンパク質が、胃炎や胃潰瘍、そして胃がんの原因を引き起こすとされている。

まず細胞内に注入されたCagAは、細胞内にある別のタンパク質・PAR1と結合する。PAR1は細胞同士の結合部分をつくる働きがあるので、CagAとの結合によりその部分の細胞が抜け落ちて胃の粘膜組織が壊される。ここに胃酸が流れ込み、慢性胃炎や胃潰瘍に発展する。

そしてCagAは細胞の増殖を促進するタンパク質・SHP2とも結合する。するとSHP2は正常に働くことができなくなり、細胞内で異常な増殖シグナルを送り続けるようになる。統制が取れなくなった細胞は異常な増殖シグナルに撹乱されて細胞分裂を繰り返し、これにより癌化が進行すると考えられている。

これを防ぐためにはピロリ菌を退治すればよいわけだが、実はピロリ菌の除菌はそう簡単ではない。もともとピロリ菌は宿主の血液型に合わせて姿を変えるといった柔軟性を備えている。そして1回の治療で除菌に成功するのは感染者の約8割だ。除菌に失敗した場合は薬の種類を変えて2次除菌を行なうことになるが、新たな耐性菌が生み出されるため除菌の成功率は半分程度に落ちるという。

現在国内のピロリ菌感染者は6000万人近くいるとされているが、全員が除菌治療したとしても600万人以上がピロリ菌の除菌に失敗する可能性がある。もちろんピロリ菌そのものを除菌することが最も望ましいわけだが、完全除去が難しい現状を踏まえると、タンパク質CagAの動きを封じるような新薬の開発がベストかもしれない。

ピロリ菌胃炎胃潰瘍胃がん


posted by Gotz at 08:29 | 医療と健康

2008年04月16日

アザラシ型ロボット・パロ

世界で最もセラピー効果があるロボットとしてギネスブックにも認定されているアザラシ型ロボット・パロが、アメリカで商業販売されることが決まったそうだ。パロは2005年に日本で販売が始まり、これまでに1000体以上が売れているが、海外での販売は今回が初めてとなる。

パロは主に高齢者介護施設などで利用されており、鬱が治る、認知症が改善するなどの効果が得られているという。ヨーロッパの医療・福祉施設でも人気は高く、これえまでも研究用に貸し出されていた。今回はパロの持つ癒し効果がアメリカのロボット業界でも注目され、販売開始に至ったというわけだ。

なでたり声をかけたりすると様々な反応を示すパロは、人間や動物と違って腹を立てたり反抗したりしない。癒やしが目的で開発されたロボットなのだから当たり前と言えばそれまでだが、まあ確かに何らかの癒し効果はあるのだろう。高齢者がアザラシのロボットをなでて喜んでいる姿を想像すると悲しい気持ちになるが、ストレスフルな高齢者の介護現場に癒やしロボットはうってつけなのかもしれない。

アザラシ型ロボット パロ癒し効果介護

posted by Gotz at 08:29 | 医療と健康

2008年04月15日

点滴バーで気軽に疲労回復

点滴は病気になったときに病院で受けるもの・・・そんな常識はもはや過去のものとなりつつあるようだ。疲労回復美肌効果のために、病院に行かなくても点滴が受けられる専門スペースが東京・恵比寿にオープンした。その名も TENTEKI 10。点滴終了まで約10分かかるのが名前の由来だという。

恵比寿ガーデンプレイスの全面協力でオープンした点滴専門スペース・TENTEKI 10 のコンセプトは、健康な人がより健康になるために。肉体疲労やストレス解消に効果のあるビタミン点滴 \2,000(税込)が基本で、オプションとして二日酔い防止や滋養強壮に効くレッドパック \2,500、日焼けによるシミやソバカスを軽減する成分が入ったホワイトパック \3,000 などが追加できるそうだ。

体のセルフメンテナンスへの意識が高まっている、と集客にかなりの自信を見せるTENTEKI 10 担当者だが、はたして点滴がセルフメンテナンスと呼べるのかどうか若干の疑問も残る。点滴なしでは安定した精神状態を保てなくなり、静脈のまわりに点滴針の痕が無数に残る点滴ジャンキーが生まれないことを祈るばかりだ。まあ点滴をするのは医師や看護士だから、その心配はないと信じている。

点滴疲労回復美肌効果ビタミン

posted by Gotz at 12:06 | 医療と健康

2008年03月28日

大豆タンパク質に満腹効果

様々な栄養素やタンパク質を豊富に含む健康食品として知られる大豆だが、そのタンパク質の成分の一種に満腹感を持続させる効果があることがアサヒビールによって発見された。アサヒビールはこのタンパク成分を満腹たんぱくと命名し、ダイエット食品に利用していく方針だ。

大豆に含まれる満腹たんぱくの特徴は、食べたものが胃の中に残っている時間を測定する胃排出速度が、一般的なタンパク質の成分と比較して最大一時間程度遅いこと。腹持ちのいいタンパク質配合食品を食べることで満腹感を持続させ、その後の食事量を減らすダイエット効果が期待されている。

食事量を減らすためにわざわざ高価なダイエット食品を摂取するなら、むしろ豆腐や納豆などの大豆製品を食べた方が健康的に思えるのだが、そこはご愛嬌。ダイエットに限らず、物事に熱中しているときは冷静な判断力が鈍るものである。痩せるために食べるという矛盾に気がつけば、もっと簡単にダイエットできるような気がするのだが...

キーワード:ダイエット健康食品タンパク質大豆

posted by Gotz at 12:32 | 医療と健康

2008年03月26日

肺年齢検査でCOPD予防

COPDとは肺の生活習慣病とも呼ばれる病気で、最悪の場合は呼吸不全や心不全で死に至る恐れもある。世界保健機構の調査ではCOPDは死亡原因の上位に位置する病気とされているのだが、自覚症状がほとんどないためCOPDを疑って肺機能検査を受診する人は多くないという。

COPDは慢性閉塞性肺疾患の略で、気管支の炎症や肺の弾性の低下により空気の出し入れが慢性的にできなくなる特徴を持つ。COPDという病名はまだあまり聞き慣れないかもしれないが、いままで慢性気管支炎や肺気腫として診断されていた病気の総称で、最近はこれらの症状を合わせてCOPDと呼ぶようになった。
COPDの原因の9割程度は喫煙に由来するとされている。咳や痰、息切れといった初期症状が見られるものの、症状が軽いため本人が気付かないうちにゆっくりと進行し、重症になって初めてCOPDに気付くケースが多い。

悪いことに、人間の肺機能は一度衰えると回復することはないそうだ。しかも現状ではCOPDにかかった場合の有効な治療方法は見つかっておらず、吸入抗コリン薬などの気管支拡張薬投与で症状を抑える対症療法が中心となる。ただし禁煙すれば肺機能の低下速度は一般と同じレベルに戻るので、COPD予防には早期発見と禁煙が重要なカギとなるわけだ。

まだ正確な統計は出ていないが、日本では350万人程度のCOPD患者がいると推定されている。ところが、そのうち肺機能検査を受信する人は22万人程度に過ぎない。このため日本呼吸器学界では肺年齢という概念を提唱し、肺機能検査の受診を促す方針だという。

キーワード:COPD禁煙生活習慣病

posted by Gotz at 08:27 | 医療と健康

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